教員著書あ・ら・か・る・と-著者からのコメント
英文学とイタリア:ペトラルカの伝統
加藤芳子著 (近代文芸社1998.7)
イギリスの文化は古くからヨーロッパ大陸の先進国たるローマの影響を受けて進歩し、ローマが滅んだ後もイタリア、フランス等の影響はルネッサンスの時代に最高潮に達する。このようなテーマを通史的に辿る研究はこれまでなかった。本書は古代から現代までの歴史の中で特にルネッサンスの時代に焦点を絞った。英文学史としても読める本である。第1・2章では文学と芸術の分野におけるイタリアの英国に対する影響を概説し、第3章では特にイタリア・ルネッサンスの巨匠ペトラルカを紹介した。第4章以降ではペトラルカ流ソネットの形式やテーマ、イメージ等の影響が英国ルネッサンスの時代の一流詩人シドニー、ダニエル、ドレイトン、シェイクスピア、ダン等の恋愛詩や宗教詩にまで辿れることを示した。
モザイク国家ユーゴスラヴィアの悲劇
徳永彰作著 (筑摩書房1995.3)
「1つのユーゴスラヴィアに、2つの文字、3つの宗教、4つの言語、5つの民族、6つの共和国、そして7つの国と国境を接している」複雑なモザイク国家ユーゴスラヴィア。一時は「ヨーロッパの火薬庫」と言われ、常に民族紛争に明け暮れ、第一次世界大戦勃発の端緒となったユーゴスラヴィア。本書は、現地で12年間にわたって生活した筆者の体験にもとづいて、この国の生い立ち、諸民族の多彩な民族性の様態、バルカンに巣くう様々な民族間の生々しい「断層」を明らかにし、これらを第二次世界大戦後に統合したチトー大統領の理念と実際、そしてチトー亡き後のユーゴスラヴィアに広がった混乱の実態から、我々には到底理解しきれない複雑な民族問題を分析し、その実際の姿と問題点を浮き彫りにしたもの。
絶対の英語勉強法
御手洗昭治著 (中経出版1997.4)
国際社会の中で、いま最も必要とされているのは現場で恥をかかない英語力、すなわち胸を張って国際舞台に臨める英語力である、との立場から著者が英語習得のためのノウハウを異文化コミュニケーションの視点から紹介する。一、二章では主に英語圏の文化的背景や習得の証明と共に、人前で上手に話すためのコツが語られている。三章では、さまざまな分野で国際的に活躍する(した)著名人であるエズラ・ヴォーゲル、キッシンジャーなど51名のグレート・コミュニケーター達が実際に使った英語表現が紹介されている。実践的なコミュニケーション技術習得の一助とすることができる。(TOElC−国際ビジネス英語能力試験協会の書評より抜粋)