STOCK & COLLECTION


『百万塔陀羅尼』複製 (雄松堂1997.1)

天平宝字8(764)年、藤原仲麻呂の乱の平定にあたり、称徳天皇が発願、小塔を造り陀羅尼経を安置すれば国家鎮護の功徳が得られるとの所説にもとづき、5年の歳月を費やして宝亀元(770)年に完成したものの複製。『百万塔』の名称は、高さ約21pの塔百万基が轆轤挽きによって造られ、塔身部に四種の陀羅尼経が納められたことに由来するが、この陀羅尼経は、製作年の明白なものとしては世界最古の印刷物とされている。複製版(限定125部)の小塔には桂の木が、陀羅尼経四種には手漉きの楮紙が用いられている。(森俊司)