教員著作あ・ら・か・る・と−著者からのコメント
進化論を拒む人々
鵜浦裕著 (剄草書房1998.11)
アメリカは人種的にも、文化的にも、宗教的にも多様である。この多様な価値観を受け入れ、それでもなお一つの全体社会として存立する道を模索している。この課題を「創造VS進化」論争のレベルで問うならば、次のようになる。はたして公立学校は、宗教的多様性を尊重しながら、かつ「国家と宗教」の分離原則を維持できるようなカリキュラムを作れるのだろうか。無信仰をふくめ、あらゆる信仰の学生を受け入れられるような学校社会を作れるのだろうか。本書は教育現場を舞台にした三つの事件を追って、もう一つのアメリカをリポートする。
情報処理概論
荒川淳三著 (中央経済社1997.7)
経営学部における書名と同名の講義の教科書です。学生たちを厳しく鍛え、深く考えさせることを目標として作ったので、この本を丁寧に読んで練習問題を解けば、けっこう力がつくと思います。定価を下げるためにワープ□で全てを編集して写真印刷で制作したので、いくつかの変換ミスが残っています。原案では読者の知的好奇心を刺激するため、各章に工夫を凝らした短文を配したのですが、引用した文や詩の版権の関係ですべてを削除したのは残念でした。出版社の在庫の推移から察するに、一般の読者は皆無のようです。
労働法:個別的労働関係法
堺鉱二郎著 (創成社1998.4)
近年における我国の産業構造、就業構造の変化に対応して個々の労働者と企業との関係を規制する法分野の変革は激しく、とどまるところを知らない。本書は、週40時間制を盛り込んだ40年ぶりの労基法の改正、男女平等を労働関係に定着せんとする男女雇用機会均等法の制定と、改正によるセクハラを含めての充実、派遣法の制定と改正による派遣の原則自由化を加えて、育・介法、パート労働法の制定等に焦点を絞って解説したものである。これら諸法の制定は、時短、差別禁止等の国際的潮流と国内の低成長との狭間で矛盾を含みながら進行している。