ソウル市東大門区安岩区にある高麗大学は、韓国ではソウル大学、ヨンセ延世大学と肩を並べる韓国屈指の名門大学です。日本で言えば、慶応大学や早稲田大學に匹敵するといえるでしよう。
大学創立30周年を記念して開館した図書館は、今年で開設64年目を迎えています。この高麗大学図書館は、4階建ての古館と新館からなる中央図書館、5階建ての科学図書館、4階建ての医学図書館、5階建てのソチャン瑞倉、電子資料室から構成されています。ここでは最も利用度が高い中央図書館を紹介しましよう。因みに中央図書館の古館は、古書や学位論文を含む30万冊を越える書籍を有するだけでなく、ソウル市の重要文化財にも指定されています。
中央図書館をはじめ、他の図書館の利用時間は、平日午前9時から午後9時、土曜日は午前9時から5時となっています。夏休みや冬休みの期間中は、午前9時30分から午後6時まで開館しています。電子資料室は、夏季、冬季休暇期間中は土曜日は休館しますが、平日は、夜9時まで、一般の閲覧室は朝6時から夜11時まで年中無休で開館しています。
なお、テスト期間中は、24時間利用できることになっています。 ここ中央図書館が保有している112万冊のうち、アジア地域に関する人文、社会科学に関する蔵書は7万冊を占めています。またマイクロ.フィルムの保有数は18種34645点で、5300以上の電子ジャーナル検索ができることになっています。さらに各図書館の定期購読刊行物は、テーマ別,地域別に分類されて保有されており、現在購読中の定期刊行物は15000冊にのぼっています。札大生と同様、学生が図書館を利用するためには学生証が必要であり、資料室と施設室を利用するためには、所持品を保管室に預けることになっています。本の貸し出し期限は、学部学生は4冊10日、大学院修士課程学生は7冊15日、博士課程学生は10冊20日となっており、1日延滞すると(返却が遅れると)、1日貸し出し禁止という処分を受けることになっています。
今回高麗大学図書館を紹介するにあたり、あらためて、さすがは高麗大学だと感じた点が2点あります。第1点は、170万冊を越える膨大な蔵書を有する、韓国有数の私学図書館であるということに加え、デジタル.ライブラリ―や自動化に力を注いでおり、古書やアメリカ、EU(ヨーロッパ連合)などの資料が最も多いという特徴をもっていることです。 第2点は、図書館を利用する学生の姿勢です。図書館に入って何よりも驚かされたことは、利用する学生の多さと勉学に取り組む学生の姿勢でした。日本の大学でも期末試験が近づくと、時おりそのような光景が見られますが、高麗大学の場合、いつ行っても変わることがありませんでした。初めのうちは,不景気で就職の決まっていない学生が夜遅くまで勉強している一時的な現象かと思い、図書館の職員に聞いてみたが、「いつもの事です」という返事が返ってきました。韓国の大学生も日本の大学生と同様アルバイトに熱心です。しかし、熱心に勉強しているのも事実です。聞いた話ですが、日本の戦後の発展を支えた学生のあの真剣な姿勢を、今韓国の学生から見ているような気がします。 同時にまた、どうすれば札幌大学の図書館を熱気あふれる学生でいっぱいにできるか、高麗大学図書館を利用するたびに考えさせられる今日この頃です。
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