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2012.10.11
北海道新聞(全道版)朝刊掲載(震災ボランティア活動関係)「朝の食卓*三角屋根の上で*荒井宏明」
10月5日の北海道新聞(全道版)朝刊に札幌市の市民活動団体代表荒井宏明氏の投稿が掲載され、札幌大学の学生によるボランティア活動が紹介されました。
【記事本文(抜粋)】
朝の食卓*三角屋根の上で*荒井宏明
「最近の大学生っていうのは…」。はしごを下りてきた棟梁が首のタオルで顔をぬぐい、屋根の上に目をやる。「まったく、たいしたもんだよ」
三角屋根の片側で、さきほどまで棟梁の手ほどきを受けていた大学生たちが手際よく防水シートを敷き、接ぎ目をそろえ、丁寧にビスで留めている。反対側を担当している職人さんの作業に比べ、速さではかなわないものの、出来栄えはほぼ遜色ない。
「こんな短時間でコツをつかんじゃうんだから、若い人たちの能力っていうのはすごいね」と棟梁が目を細める。
震災によってすべての社会教育施設を失った岩手県陸前高田市に「図書館を建てよう」と、私が代表を務める団体が建設ボランティアを募ったところ、札幌大学の学生約30人が応募してくれることになった。大工仕事は初めてという学生も多かったが、その熱意と吸収力には目を見張るものがあり、建設は予定よりも順調に進んだ。
最終日。私は学生たちに「なぜ、この図書館が必要だったのか。理由を見てもらいます」と告げ、海岸近くにある同市の旧図書館に連れて行った。津波によって壊滅した施設の壮絶な姿を目の当たりにし、学生たちは言葉を失い、目を赤くし、献花台で手を合わせた。
たくましさと優しさを備えた北海道の若者が、ここでの経験を、その大いなる未来に役立ててほしいと心から願った。
(市民活動団体代表・札幌)
※北海道新聞社許諾D1210-1304-00008577